彼岸

物語を読んでいても、

そのすべてが終わった後のことばかりを考える。

いつか必ず途切れるページの、向こう側。


幸せも哀しみも、もう書かれて綴じられた本の中にしかない。

あれは幸せだったのだと、

これは哀しみだったのだと、

そう知ることができるのは、

全部終わったあとだけなんだと、

僕はきみから教わったんだよ。



ああ、昨日の月はきれいだったなあ。